ワンキャリア
(画像=編集部作成)

【目次】
①️ワンキャリアIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント

会社名
株式会社ワンキャリア
コード
4377
市場
マザーズ
業種
情報・通信業
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 宮下 尚之 / 1985年生
会社住所
東京都渋谷区桜丘町20番1号
設立年
2015年
社員数
66人(2021年7月31日現在)
事業内容
キャリアデータプラットフォームを活用した採用DX支援サービスの提供と就職支援メディア「ONE CAREER」及び「ONE CAREER PLUS」の運営
URL
https://onecareer.co.jp/
資本金
1,000,000円 (2021年9月2日現在)
上場時発行済み株数
5,600,000株
公開株数
1,156,200株
連結会社
なし
スケジュール
仮条件決定:2021/09/17→2,040~2,090円に決定
ブックビルディング期間:2021/09/21 - 09/28
公開価格決定:2021/09/29→2,090円に決定
申込期間:2021/09/30 - 10/05
上場日:2021/10/07→初値2,500円
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:みずほ証券
引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
引受証券:極東証券
引受証券:岩井コスモ証券
引受証券:いちよし証券
引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
大株主
宮下尚之 74.21%
長澤有紘 6.71%
UBV Fund-Ⅰ投資事業有限責任組合 4.60%
(株)SMBC信託銀行(特定金外信 PKSHA SPARXアルゴリズム1号) 4.60%
(株)AMG 2.30%
北野唯我 1.65%
佐藤裕介 0.92%
長谷川嵩明 0.92%
田中晋太朗 0.64%
美澤臣一 0.46%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2018/12 単体実績 
638,059 22,817 18,706 51,366
2019/12 単体実績 
952,735 9,070 -1,193 50,173
2020/12 単体実績 
1,330,928 72,264 68,434 118,608
2021/06 第2四半期単体実績 
1,027,085 329,128 223,016 341,624
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2022年1月4日まで
または、上場後180日目の2022年4月4日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×公開価格)
24億1645万8000円(1,156,200株×2,090円)
潜在株数(ストックオプション)
440,500株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
株式会社ワンキャリア<4377>は新卒の採用活動、人事業務のDX推進を支援するキャリアデータプラットフォーム事業を展開する企業である。
ワンキャリア
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容詳細

同社はこれまで求職者が複数のチャネルを横断して手に入れる必要のあった、就職の意思決定に必要な情報をまとめて1箇所で得ることができるプラットフォーム「キャリアデータプラットフォーム」を構築している。求職者による就職活動の体験情報を中心とするこれまで公開されていなかったキャリアデータを蓄積し、就職・採用の意思決定に必要な情報として求職者と企業の双方に提供する。

同社はキャリアデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるが、主たるサービスは下記2つに分類できる。

・採用DXサービスにおける求人メディア
・採用DXサービスにおける採用ソリューション

キャリアデータ保有会員数、キャリアデータ保有者数のいずれも右肩上がりに上昇している。

尚、その他サービスとして中途採用事業(「ONE CAREER PLUS」)も手掛けている。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)
・採用DXサービスにおける求人メディア
同社は新卒採用メディア「ONE CAREER」を運営している。「ONE CAREER」は新卒入社までの最初のキャリア選択をサポートするサービスであり、求職者の声を中心とした就職活動の体験情報を集めたコンテンツと、プロの編集チームが作成したコンテンツを融合したハイブリッドメディアである。

求職者から投稿される就職活動の体験情報はキャリアデータとして「ONE CAREER」上で公開され、求職者は「ONE CAREER」の会員となることで、企業に関するキャリアデータを無料で閲覧できる。

・採用DXサービスにおける採用ソリューション 採用ソリューションは、同社に蓄積された莫大なキャリアデータを活用し、企業の人事担当者が行う新卒採用業務の支援を行うソリューションサービスである。

採用ターゲットとなる求職者がいつどの程度活動しているのか、採用競合となる他社がいつどのような採用活動を行っているのか等の、採用活動計画を立案する際に必要なマーケティングデータを提供し、採用業務に役立つソリューションを提供している。

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(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■2020年12月期の主要取引先

2020年12月期 株式会社リクルートキャリア 売上高1.4億円(割合10%)

株式会社リクルートキャリア向けの売上高は2019年12月期以降、年間10%を前後する状態である。他の主要取引先はなく、右肩上がりの会員数を背景に幅広い顧客から売上が計上されている。

■業績推移

2018年12月期 売上高6.4億円、経常利益0.2億円、当期純利益0.2億円
2019年12月期 売上高9.5億円、経常利益0.1億円、当期純利益▲0億円
2020年12月期 売上高13億円、経常利益0.8億円、当期純利益0.7億円
2021年12月期(予想) 売上高19億円、経常利益3.3億円、当期純利益2.1億円

着実な増収を続けており、2020年12月期に売上10億円の大台を突破した。経常利益は1億円を下回る状態が続いたが、2021年12月期(予想)は売上高19億円、経常利益3.3億円であり、2021年12月期より本格的な利益計上ステージ入りの予想である。

2021年12月期Q2(累計)は売上高10億円、経常利益3.3億円であり、通期予想達成に向けた進捗は順調である。

■財務内容

2020年12月期末時点で資産合計13億円に対し純資産合計1.2億円、自己資本比率9.1%である。借入金8.2億円に対し、現預金8.5億円を有している。

資産の部の最大科目は現預金8.5億円であるが、2番目に大きい科目は敷金及び保証金1.3億円である。

キャッシュ・フロー計算書において、営業活動によるキャッシュ・フローは2019年12月期1.6億円、2020年12月期1.0億円であった。営業活動によるキャッシュ・フローは前受金の増加(2019年12月期0.7億円、2020年12月期0.2億円)などにより、既に1億円超のプラスが続いている。

■資金使途

IPOにより14億円の資金調達を行い、下記使途を予定している。 ・宣伝広告費 0.7億円
・データ、コンテンツ収集及び政策への外注費 1.3億円
・技術研究及びシステム開発への人件費及び外注費等 6.4億円
・採用広告費 0.8億円
・残額は銀行からの借入金の返済資金
調達資金は「ONE CAREER」、「ONE CAREER PLUS」の改修・リニューアルや新機能の研究開発への人件費や外注費等を中心に充当され、残額は借入金の返済資金に充当される。

■株主構成

筆頭株主は宮下社長であり株式の74%を保有している。第2位株主は長澤副社長で株式の6.7%(うち2.1%は潜在株式)を保有する。宮下社長及び長澤副社長で株式の約8割を持つ安定的な株主構成である。

第3位株主UBV Fund-Ⅰ投資事業有限責任組合他、VCが2名義で株式シェアの9.2%を保有している。尚、VCはIPO後90日もしくは株価1.5倍のロックアップ契約を締結済み。

■まとめ

新卒の採用活動、人事業務のDX推進を支援するキャリアデータプラットフォーム事業を展開する企業のIPO案件である。

企業の人手不足を背景に同社が保有する「キャリアデータプラットフォーム」を活用し、企業及び学生に対し新卒採用サービスを提供している。キャリアデータ保有会員数、キャリアデータ保有者数のいずれも右肩上がりで上昇している。着実な増収が続いており、2021年12月期から本格的な利益計上のステージ入りの予想である。

少子化により学生数の減少が続く中で、「キャリアデータプラットフォーム」の拡充や中途採用事業も強化するなどして継続的な成長を果たすことができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる

IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、キャリアデータプラットフォームを活用した採用DX 支援サービスの提供と就職支援メディア「ONE CAREER」及び「ONE CAREER PLUS」の運営を事業として展開している。株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が117億円、2021年12月期の業績予想ベースのPERは55.2倍となっている。上場市場は東証マザーズ。

上場当日の株価動向は、直前のIPOから少し間が空いていることもあり、資金吸収額が28億円と多いが、需給はタイトになると推測する。 初値は前場の遅い時間帯もしくは後場の早い時間帯に着くと考えるが、VCが売出しの後に発行済株式数の7.45%を保有していることもあり、いったん値が付いた後は上値が重くなる可能性がある。

セカンダリー市場においては、当社は12月決算なので、第3四半期の開示が11月中旬にあるが、当社の売上は季節性があり、第3四半期はもっとも売上が少ない季節となるため、投資家は年間の業績予想が未達になるのではないかとの懸念をもつ第3四半期開示となるかもしれない。もしそこで大きく売り越されるような事態になり、株価が弱含んだ時が買いのチャンスとなるかもしれないので、11月中旬の開示直後の株価の動きに注視したい。