20代のときにロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん貧乏父さん』を読んで、「資本主義社会では、ESBIを理解しお金持ちにならないといけない」と感じたsssさん。社会経験を積むためにもまずは会社員として就職し、2007~2008年ころに投資をスタート。今ではFXの自動売買をはじめ、不動産を所有するなど、“資本家”への道のりを着実に歩んでいる兼業投資家だ。

SSSさん
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兼業投資家。ループイフダンやトラリピを使ったFXの自動売買で主に運用している。最近は仮想通貨の投資も始める。
Twitter:@Hirowing_sigeki

お金持ちになるには、ビジネスオーナーか投資家の二択しかない

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コロナ前は毎年のように海外のリゾート地に行っていたというsssさん

――最初に、投資をはじめたきっかけについて教えてください。

『金持ち父さん貧乏父さん』には「E=employee」(従業員)、「S=self employee」(自営業者)、「B=business owner」(ビジネスオーナー)、「I=investor」(投資家)という4つの分類があって、「お金持ちになるには、ビジネスオーナーか投資家になることが必要だ」と思ったんです。

――EとSは「労働収入型」で、自分の時間を売って収入をもらっている人たちのこと。一方、BとIは「権利収入型」で、お金がお金を生み出し、時間にもお金にも自由な人たちという考え方ですね。

はい。フランスの経済学者であるトマ・ピケティが2014年に発表した『21世紀の資本論』で、「r(資本収益率)>g(経済成長率)」のとき、つまり「経済成長率よりも投資リターンのほうが大きいときは格差がどんどん広がっていく」ということを指摘しました。このことからも、資本主義社会では「資本」を手にしないといけないと感じるようになったんです。

資本家になるには、投資家になるか起業家になるか。ですが、社会人経験も必要だと思い、大学卒業後はまずは会社員として働くことを選びました。

――社会人になって、投資もすぐに始めていたんですか?

最初は投資の元手もないので、銀行で定期預金をしていました。しかし、利息がほとんどつかないので、「これではダメだ」と腹落ちしましたね(笑)。それで、何かほかに違う投資はないかと、銀行に置いてあるパンフレットを片っ端から読んで、外貨預金や投資信託をはじめたんです。

ちょうどリーマンショック後で、NZドル/円は46円をつけていたころです。「安いかどうかはわからないけれど、今だったら買ってもそんなに損はしないだろう」と思って、外貨預金をはじめたんです。でも、はじめてからコストが高いことを知りました。またしてもこれではダメだと思い、今度は本を読んだりして勉強し、外貨預金からFX、投信から個別株へと移行していきました。

このころ、友人から「FXって知ってる?」といった質問をよく聞かれるようになって、FXブームを感じました。そこで、FXの初歩的な内容に答えるかたちでブログを書き始めたんです。

元手300万円が一時は3000万円になり、再び300万円に

FX,サヤ取り
(画像=PIXTA)

――リーマンショック後から投資をはじめることができたら、大きく儲けることができたのではないですか?

そうですね、仕事で貯めた300万円を元手に外貨預金や投信を経てFXや株をはじめたのですが、FXでレバレッジをかけていた分、安値のときに買ったものが大きく増えて、一時は資産が3000万円くらいになりましたね。しかし、その後の民主党政権化での円高や東日本大震災での円高などで、一度のトレードでボーナス1回分が飛ぶような損切りを何度もやってしまって……。

また、当時は初心者でもはじめやすい「スワップポイント狙い」の投資もしていました。やはり「持っているだけでスワップ収益を得られる」というのが魅力的で、南アフリカランド/円、豪ドル/円、NZ/円など高金利通貨を多く持っていましたね。しかし、これも円高が進みナンピンをしていたものの、含み損が雪だるま式に増え、これ以上、原資を減らすことはできないと判断して損切りしました。こういった失敗したトレードを何度も繰り返し、資産は3000万円から300万円ほどになってしまいました。

――sssさんはトラリピなどの自動売買をされているということですが、そこから現在の投資スタイルにたどり着いた経緯を教えてください。

トラリピを知ったのは、友人の紹介でしたね。ある程度の資金を入れれば、安定して利益を生み出してくれやすい。仕組みを教えてもらって「不労所得」という意味ではピッタリだと感じました。

――トラリピとはマネースクエアが提供する「トラップリピートイフダン」というサービスの略称で、下がったら買い、上がったら売るというような売買を自動で繰り返す自動売買的な発注機能のこと。一定程度のレンジの中で値動きしていると強さを発揮する仕組みですよね。

そうです。一方向へのトレンドには弱いのですが、FXは「7割がレンジ相場」と言われるくらい、一定の範囲内で動くことが多い。たとえば2014年以降で見れば、米ドル/円は100~125円の範囲で動いています。「下がっても100円まで」という想定で「下がったら買い、上がったら売り」という設定をすれば、あとは自動で何度も売買を繰り返してくれるのがトラリピです。夜10時くらいまで働くことも多かったので、ほったらかしでも利益を生み出してくれる可能性があるトラリピのような仕組みは、目指している「不労所得」の根幹になると考えました。

ただ、100円を割ってしまったら、含み損がどんどん膨らんでしまいますよね。ですから、どれくらいの「レンジ」を想定するのか、またレンジを下回って一時的に含み損が増えたときに損切りなどをしなくて済むような資金管理が特に大切になります。

オリジナルの投資手法「すくみ」で着実に利益を積み上げ

FX,通貨
(画像=PIXTA)

最近ではトラリピを使って、「すくみ」という仕組みを作って運用しています。為替は2国間、3国間の綱引きですから、片方が上がるときにはもう片方は下がります。たとえば米ドル、ユーロ、円で見たら、米ドルが一番強くて円が一番弱いとき、

●ユーロ安・ドル高
●米ドル高・円安
●ユーロ高・円安

となりますよね。通貨が強くなったり弱くなったりしても利益が出る手法はないかと考えて辿り着いたのが「すくみ」という手法です。たとえば、円で米ドルを買い、米ドルでユーロを買い、ユーロで円を買うと3通貨による「すくみ」ができあがります。一つの通貨ペアが下がっていても、ほかの通貨ペアが上がって損失をカバーしたりするので、利益を積み上げやすいのです。

――sssさんが考え出した「すくみ」という手法ですね。

「米ドル→ユーロ→円」という3通貨を使った“3すくみ”以外にも、「米ドル→ユーロ→円→NZドル→豪ドル」という5 通貨を使った“5すくみ”など、いろいろな形で運用しています。それぞれ右隣りの通貨を買っていくことで、片方の通貨が下がっても隣の通貨が上がって、安定して利益を追求しやすいんです。

1000万円を運用し、年間200万円を稼ぐ出す

――どれくらいのパフォーマンスになっていますか?

現在、FXでは1000万円ほどを運用していて、ならすとだいたい年200万円くらい稼げていますね。マネースクエアの「トラリピ」以外にも、アイネット証券の「ループイフダン」、インヴァスト証券の「トライオート」も自動売買ができます。各社特徴があって仕組みが少し違ったりしますし、発注の手軽さやスワップ金利、手数料などにも違いがあります。うまく特徴をつかんで、使いやすいところを選ぶといいと思います。私もさまざまな「すくみ」を各社で運用しています。

――最後に、初心者の方へのアドバイスをお願いします。

若いときの100万円と、お金を稼げるようになってからの100万円は価値が違うと思います。たとえば、20代のときに20万円するホテルに泊まるとか、高級レストランで食事をすることも感性を磨くことにもなると思います。国内だけでなく海外の一流ホテルや一流レストランで一流のサービスを受けて、“おもてなし”は日本だけじゃないことを感じましたね。

お金はあるに越したことはないのですが、お金を使った「経験」のほうに価値があると思っています。仕事や投資で稼ぐことは稼ぐ。しかし、お金を増やすことが目的となってはいけません。お金はあくまで手段であって、お金自体にはそれほど価値を置いていません。ただ最近は、投資のおもしろさも感じるようになっています。株にしてもFXにしても、全世界の投資家たちと、一手先の将来を予測して指す将棋のようなゲーム。その投資のおもしさを味わいながらお金を稼いで、将来は関わるみんなで仲良く幸せになれるのが理想ですね。