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【目次】
①️セレンディップ・ホールディングスIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント

会社名
セレンディップ・ホールディングス株式会社
コード
7318
市場
マザーズ
業種
輸送用機器
売買単位
100株
代表者名
代表取締役社長 竹内 在 / 1970年生
会社住所
愛知県名古屋市中区栄二丁目11番7号
設立年
2006年
社員数
25人(2021年4月30日現在)
事業内容
経営コンサルティング、事業承継サポート、M&A支援、プロ経営者の派遣、製造事業会社の運営
URL
https://www.serendip-c.com/
資本金
593,978,000円 (2021年5月21日現在)
上場時発行済み株数
4,229,380株
公開株数
850,000株
連結会社
5社
スケジュール
仮条件決定:2021/06/04→1,030~1,130円に決定
ブックビルディング期間:2021/06/08 - 06/14
公開価格決定:2021/06/15
申込期間:2021/06/16 - 06/21
上場日:2021/06/24
シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
主幹事証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
引受証券:野村證券
引受証券:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
引受証券:みずほ証券
引受証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
引受証券:東海東京証券
引受証券:岩井コスモ証券
引受証券:岡三証券 (岡三証券の詳細記事はこちら)
引受証券:東洋証券
引受証券:藍澤證券
引受証券:水戸証券
引受証券:エイチ・エス証券
大株主
髙村徳康 19.39%
竹内在 19.39%
諸戸グループマネジメント(株) 12.07%
一徳(同) 8.05%
ネクストシークエンス(同) 8.05%
(株)カリン 4.60%
アント・ブリッジ4号A投資事業有限責任組合 4.60%
セレンディップグループ従業員持株会 3.79%
芦部喜一 1.72%
(株)大垣共立銀行 東山(株) (株)名南経営コンサルティング 1.53%
業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産
2018/03 単体実績 
48,375 2,373 1,110 888,146
2019/03 連結実績 
12,961,420 115,903 377,916 2,205,193
2020/03 連結実績 
15,196,337 215,265 91,380 2,294,153
2020/12 第3四半期連結実績 
10,551,015 384,462 370,791 2,891,576
ロックアップ情報
指定された株主は上場後90日目の2021年9月21日まで
または、上場後180日目の2021年12月20日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
調達額(公開株数×仮条件上限)
9億6050万0000円(850,000株×1,130円)
潜在株数(ストックオプション)
458,700株
ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
セレンディップ・ホールディングス株式会社<7318>はモノづくり企業に対するプロ経営者・エンジニア派遣、事業承継等のフィナンシャルアドバイザリー、自動車部品製造及びFA装置製造の3事業を手掛ける名古屋に本社を置く企業である。
セレンディップ・ホールディングス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■同社について

同社グループ(以下、同社)は最強のモノづくり企業集団を目指しており、持株会社(セレンディップ・ホールディングス株式会社)の下に6つの事業子会社を有している。
セレンディップ・ホールディングス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■事業内容詳細

同社は下記3セグメントで事業を展開している。

・プロフェッショナル・ソリューション事業
・インベストメント事業
・モノづくり事業


●プロフェッショナル・ソリューション事業について

プロフェッショナル・ソリューション事業では、事業承継等の経営課題を抱えた中小企業や技術力強化を推進するモノづくり企業へ、プロ経営者やエンジニアといった同社グループのプロフェッショナルを派遣し、経営課題や技術的課題に対するソリューションを提供している。

●インベストメント事業

インベストメント事業では、金融機関等と連携した共同投資やマイノリティ出資、ファイナンシャルアドバイザリーによって、多様化する事業承継問題に柔軟かつ機動的に対応している。事業承継等により課題を抱えた企業へのファイナンシャルアドバイザリーの提供や、共同投資等により投資先企業への経営関与を高め、経営改革を促進し企業価値の向上をはかり、最終的には株式売却によるキャピタルゲインで収益を計上する。

●モノづくり事業

モノづくり事業では、同社が事業承継を目的にM&Aで傘下に収めたモノづくり企業が自動車部品製造及びFA装置製造を行っている。

■経営戦略

同社はM&A及び子会社の変革・進化を通じてグループ全体の成長を図るビジネスモデルである。持続的な成長を維持する基本方針として下記の施策を実施している。
セレンディップ・ホールディングス
(画像=新株式発行並びに株式売出届出目論見書)

■2020年3月期セグメント利益及び主要取引先

2020年3月期 売上高152億円(対前年同期比17%増)、営業利益2.9億円(同48%増)
・プロフェッショナル・ソリューション事業 売上高7.4億円(同135%増)、セグメント利益0.3億円(前年同期▲0.4億円)
・モノづくり事業 売上高147億円(同15%増)、セグメント利益2.6億円(同13%増)
※プロフェッショナル・ソリューション事業にインベストメント事業数字含む

プロフェッショナル・ソリューション事業、モノづくり事業はいずれも増収となり、プロフェッショナル・ソリューション事業は黒字転換、モノづくり事業は増益となった。

また2020年3月期の主要取引先は下記である。

・アイシン・エイ・ダブリュ 45億円(割合30%)
・トヨタ自動車 29億円(同19%)
・トヨタ紡織 25億円(同17%)

トヨタグループ3社向けに6割以上(合計65.4%)の売上が計上されている。2019年3月期の同比率は84%、2021年3月期Q3は60%であり、トヨタグループが主力取引先である。

■業績推移

2018年3月期 営業収益0.5億円、営業利益0億円、当期純利益0億円
2019年3月期 売上高130億円、経常利益1.2億円、当期純利益3.8億円
2020年3月期 売上高152億円、経常利益2.2億円、当期純利益0.9億円
2021年3月期 売上高145億円、経常利益4.2億円、当期純利益4.0億円
2022年3月期(予想) 売上高150億円、経常利益2.5億円、当期純利益1.8億円
※2019年3月期より連結決算

順調に増益が続いており、2020年3月期は経常利益2億円を突破し、2021年3月期は4億円を突破した。ただし2021年3月期は減収となっている・

2022年3月期は売上高150億円の大台到達を予想する。ただし経常利益は2.5億円となり減益の予想である。

尚、2020年3月期決算が公開申請決算期であり、期越え決算でのIPOとなる。

■財務状況

2020年3月期末時点で資産合計130億円、純資産合計23億円であり、自己資本比率18%である。

借入金59億円に対し、現預金27億円を保有する。現預金と受取手形及び売掛金20億円などで流動資産合計55億円である。

また建物及び構築物33億円、機械装置及び運搬具46億円、工具・器具及び備品76億円など有形固定資産53億円を計上している(減価償却累計額128億円)。

投資有価証券14億円を有しているが、トヨタ自動車<7203>の株式が13億円であり殆どである。

キャッシュ・フロー計算書において、減価償却費を2019年3月期6.3億円、2020年3月期9.8億円を計上。営業活動によるキャッシュ・フローは2019年3月期2.0億円に留まるが、減価償却費の増加(6.3→9.8億円)、売上債券の増加(▲3.6→3.6億円)などにより2020年3月期は15億円となった。また2019年3月期は子会社株式取得▲31億円により、投資活動によるキャッシュ・フローは▲33億円となっている。

2021年3月期末時点では資産合計148億円、純資産合計30億円であり、自己資本比率20%である。

■資金使途

IPOにより9.6億円の資金調達を行い下記使途が予定されている。

・プロ経営者候補となる人材の確保・育成 4.8億円
・R&DやDXへの投資 4億円
・運転資金 0.8億円

調達資金は主に人材確保・育成と新製品、新素材や新技術開発やバックオフィス業務効率化のための投資を中心に充当される。

尚、公募のみが行われ売出は行われない。

■株主構成

創業者の髙村会長と竹内社長が同率の筆頭株主であり株式シェア19%を双方で保有している(いずれも5%は潜在株式)。また第4位株主の一徳合同会社(株式シェア8.1%)は髙村会長の資産管理会社、第5位株主のネクストシークエンス合同会社(同8.1%)は竹内社長の資産管理会社。髙村会長及び竹内社長の関係先で株式シェア55%(うち10%は潜在株式)となっている。

7位株主のアント・ブリッジ4号A投資事業有限責任組合(同4.6%)他、合計4名義のVCファンドが株主参入している。尚、VC比率は約6%である。

また大垣共立銀行(株式シェア1.5%)、三十三銀行(同0.6%)、十六銀行(同0.5%)の地方銀行3行も株主参入している。

■まとめ

名古屋市に本社を置き、モノづくり企業に対するプロ経営者・エンジニア派遣、事業承継等のフィナンシャルアドバイザリー、自動車部品製造及びFA装置製造の3事業を手掛ける企業のIPO案件である。トヨタ自動車グループが売上の6割以上を占める主力取引先となっている。

事業承継問題を抱えるモノづくり中小企業に対し、経営者派遣や自らM&Aまで行うことで最強のモノづくり企業集団を目指している。

IPOによる調達資金を活用してプロ経営者候補となる人材など確保を行い、モノ作り中小企業の株式取得→経営支援→株式売却までのサイクルを継続させることができるのか、という点が今後の注目ポイントになると考えられる。
IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント
当社は、経営コンサルティング、事業承継サポート、M&A 支援、プロ経営者の派遣、製造事業会社の運営を事業として展開している。企業価値の創造は買収した企業から生まれるキャッシュフローをベースとしており、対象子会社はモノづくりが中心でその顧客はトヨタ系列が多い為、トヨタ自動車の業績に連動すると言っても過言ではない。上場市場は東証マザーズ。

株価のバリュエーションは、公開価格時価総額が48億円、2022年3月期の業績予想ベースのPERは27.3倍となっている。上場当日の株価動向は、資金吸収額が11億円しかないため、需給はタイトで初値は後場に持ち越されると推測する。

セカンダリーマーケットにおいては、上場直後のラリーの後は、期中に業績が大きく動くことはなく、M&Aなどのイベントドリブンで株価は動くと考えられる。リスクとしては、LBOでM&Aのための資金を調達しておりこの先数年にわたり返済額が決まっているため、景気変動で子会社の業績が悪化するようなことになると銀行借入の返済が滞る可能性も出て来ることには注意しておくべきだろう。