毎日仕事のストレスを感じていると、「ほかに給料がいい仕事はないだろうか」という考えが頭をよぎる方も多いのではないでしょうか。業界や企業にもよりますが、高給な仕事がたくさんあります。

しかし、高給というだけではなく、やりがいのある仕事を探している方も多いはず。この記事では、給料の高い仕事をランキング形式で紹介します。その上で、年収が高い仕事の内容も紹介するので、今転職を考えている方はぜひ参考にしてください。

日本の平均的給料は?

給料,いい仕事
(画像=PIXTA)

国税庁の「令和元年分民間給与実態統計調査」によると、2019年12月31日現在の給与所得者数は5 990万人(対前年比1.3%増)で、1年間通じて勤務した人の平均給与は436万円(同1.0%減)でした。また、男女別で年間平均給与を見てみると男性が540万円(対前年比1.0%減)、女性は296 万円(同0.8%増)です。

さらに、正規か非正規かで見てみると、正規が503 万円(対前年比0.0%減)であるのに対して非正規が175 万円(同 2.5%減)という結果でした。これらの指標から、依然として男女や正規か非正規かによって給与格差が激しいことがわかります。

ちなみに、同調査の「企業規模別の給与階級別構成割合」で年間平均給与400万円以下の構成割合は54.7%でした。つまり、年間平均給与に満たない給与所得者が過半数存在しているわけです。

では、各世代によって収入はどのように異なるのでしょうか。厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査」に基づき、一般労働者の世代間の毎月賃金の違いを表1に示しました。

表1 一般労働者の賃金
令和元年賃金構造基本統計調査
年代 男女平均年収
 10代  179万円
 20代  210万9000円~243万9000円
 30代  275万9000円~305万3000円
 40代  329万6000円~350万3000円
 50代  367万1000円~373万5000円
 60代  249万~283万円
 70代以上  237万6000円
 年齢計  307万7000円

この表からもわかるように、10代から50代までは賃金が上がっていく一方で60代以上では減少傾向です。日本の多くの企業では、60代以降定年退職する慣行が残っていることや年功序列制度がいまだに存在することが要因のひとつと考えられます。

では年齢に関係なく高給となる仕事はないのでしょうか。次では「令和元年賃金構造基本統計調査」をもとに作成した産業別、職業別、企業別で給料の高いランキングを紹介していきます。

産業別給料の高いランキング

産業別で給料の高いランキングについて、まずは男性から紹介します。

順位 産業 平均月収
1  金融業,保険業  50万5900円
2  電気・ガス・熱供給・水道業  48万3800円
3  教育,学習支援業  45万3700円
4  学術研究,専門・技術サービス業  44万7700円
5  情報通信業  43万400円
6  不動産業,物品賃貸業  39万800円
7  建設業  38万2600円
8  鉱業,採石業,砂利採取業  37万3500円
9  卸売業,小売業  37万800円
10  医療,福祉  36万8400円
11  製造業  36万7100円
12  複合サービス事業  34万8100円
13  運輸業,郵便業  34万7500円
14  生活関連サービス業,娯楽業  31万7800円
15  サービス業
(他に分類されないもの)
 30万7500円
16  宿泊業,飲食サービス業  30万6900円
   産業計  37万4700円

(出典:総務省「日本の統計2020」 産業別月間現金給与額より作成)

金融や生活インフラなど、日々欠かせない産業が高いランクを占めているようです。続いて、女性部門のランキングを見てみましょう。

順位 産業 平均月収
1  電気・ガス・熱供給・水道業  33万8700円
2  情報通信業  32万8100円
3  教育,学習支援業  32万5100円
4  学術研究,専門・技術サービス業  31万5500円
5  金融業,保険業  29万7800円
6  鉱業,採石業,砂利採取業  28万7400円
7  医療,福祉  27万7100円
8  不動産業,物品賃貸業  26万9600円
9  建設業  26万4800円
10  運輸業,郵便業  25万4500円
11  卸売業,小売業  24万8500円
12  複合サービス事業  24万2500円
13  製造業  23万7200円
14  生活関連サービス業,娯楽業  23万3700円
15  サービス業
(他に分類されないもの)
 23万2300円
16  宿泊業,飲食サービス業  22万1000円
   産業計  26万5600円

(出典:総務省「日本の統計2020」 産業別月間現金給与額より作成)

男性で1位だった金融・保険業は女性では5位に下がり、男性で2位だった電気・ガス・熱供給・水道業が1位でした。しかし、労働者数が1万7000人と少なめです。

職業別給料の高いランキングTop29

次に、職業別で給料の高いランキングをまとめました。男性のランキングは下表のとおりです。

順位 職種 平均年齢 平均勤続年数 給与
1  医師  42.2  5.8  93万6900円
2  大学教授  57.3  16.6  67万3000円
3  高等学校教員  43.7  14.8  43万3800円
4  システム・エンジニア  39.4  12.3  38万4400円
5  営業用大型貨物自動車運転者業  48.6  12.1  35万4300円
6  自動車組立工  37.4  12.8  35万2000円
7  看護師  36.9  7.6  34万1300円
8  電気工  40.2  13.5  33万5000円
9  営業用バス運転者  51.2  11.2  32万8700円
10  一般科学工  38.3  12.3  32万6100円
11  自家用貨物自動車運転者  48.4  10.5  32万2400円
12  機械修理工  40  12.8  32万900円
13  営業用普通・小型貨物自動車運転者  46.2  10.6  31万8700円
14  プログラマー  32.5  6.4  30万6400円
15  溶接工  39.5  11.4  30万5500円
16  機械組立工  39.8  10.5  30万5000円
17  合成樹脂製品成形工  39.5  11.3  30万900円
18  鉄工  41.9  11.5  30万2000円
19  金属プレス工  41.3  11.7  29万9000円
20  自動車整備工  36.9  11.5  29万5200円
21  理学療法士・作業療法士  32.8  5.8  29万2300円
22  調理師  42.9  8.8  28万7900円
23  土工  49.1  11.1  28万5000円
24  給仕従事者  37.6  6.1  28万3000円
25  販売店員(百貨店店員を除く)  39.4  10.3  28万800円
26  娯楽接客員  35.9  7.8  27万8300円
27  タクシー運転者  60.1  9.8  27万60600円
28  福祉施設介護員  39  6.8  25万4700円
29  警備員  52.5  8.6  23万9300円

(出典:総務省「日本の統計2020」 主要職種別平均年齢,勤続年数,実労働時間数と月間給与額より作成)

おそらく多くの方がイメージしていたとおり、医師が1位にランクインしました。2位は大学教授ですが、平均年齢が57.3とやや高齢であることから高収入になるまでには少し年数を要することがわかります。一方、システムエンジニアは平均39.4才であることから、若くして高収入も狙える職種です。

続いて、女性でのランキングを見ていきましょう。

順位 職種 平均年齢 平均勤続年数 給与
1  医師  37.3  4.7  76万3900円
2  高等学校教員  40.9  12.4  38万6000円
3  薬剤師  39  7.7  36万4400円
4  各種学校・専修学校教員  42.9  8.5  33万100円
5  看護師  39.6  8.3  33万800円
6  システム・エンジニア  34.6  9.1  31万3200円
7  臨床検査技師  39.4  11  30万7100円
8  准看護師  50  11.6  27万8200円
9  理学療法士・作業療法士  33  6.3  27万7300円
10  歯科衛生士  34.8  5.8  26万7500円
11  保険外交員  45.7  10.1  26万1800円
12  介護支援専門員(ケアマネジャー)  50.6  9  26万1800円
13  幼稚園教諭  33.5  7.9  23万8600円
14  保育士(保母・保父)  37.1  8.2  23万8000円
15  栄養士  35.1  7  23万6300円
16  ホームヘルパー  48.6  7.8  23万6200円
17  福祉施設介護員  43.5  7.2  23万1400円
18  娯楽接客員  37  7  22万2800円
19  看護補助者  48  9.3  21万2100円
20  機械組立工  41.9  9.2  21万1200円
21  パン・洋生菓子整備工  37.3  7.6  20万9100円
22  給仕従業者  40  7.1  20万8300円
23  販売店員(百貨店店員を除く)  40.3  8.4  20万6600円
24  百貨店店員  42.4  11.5  20万5900円
25  調理士  45.5  8.6  20万2500円
26  スーパー店チェッカー  41.7  9.8  19万8300円
27 調理師見習  46.8  7.1  18万6700円
28  ビル清掃員  56.2  8.5  17万1300円
29  ミシン縫製工  45.5  12.1  15万8600円

(出典:総務省「日本の統計2020」 主要職種別平均年齢,勤続年数,実労働時間数と月間給与額より作成)

こちらも医師が1位で2位とは倍近くの差があります。結果、男女ともに最も高収入な職業は医師であることがわかりました。

しかし医師になるためには大学の医学部で6年間の教育を受けた後、医師国家試験に合格しなければなりません。また、合格後も2年以上臨床研修医として勤務することが必要です。

もちろん30歳を過ぎてからでも医師を志して最前線で活躍する人もいますが、社会人から医師を目指すのは相当な覚悟がいります。

企業別給料の高いランキングTop30

医師のような特殊な職業以外でも、勤める企業によっては給料のいい仕事があります。東洋経済オンラインが発表した「平均年収 全国トップ500社」のうちのTop30を見ていきましょう。

表6 平均年収が高い会社【全国版】
順位 社名 平均年収
(万円)
平均年齢 本社所在地
1  M&Aキャピタルパートナーズ  2478  31.3  東京都
2  キーエンス  2110  35.8  大阪府
3  GCA  2063  37.9  東京都
4  ヒューリック  1636  39.8  東京都
5  三菱商事  1607  42.5  東京都
6  ストライク  1539  36.2  東京都
7  伊藤忠商事  1520  41.7  大阪府
8  日本商業開発  1501  41.7  大阪府
9  ソレイジア・ファーマー  1460  48.4  東京都
10  三井物産  1430  42.2  東京都
11  日本M&Aセンター  1413  35.1  東京都
12  フロンティア・マネジメント  1398  38.5  東京都
13  丸紅  1389  41.9  東京都
14  住友商事  1389  42.6  東京都
15  テレビ朝日ホールディングス  1387  42.7  東京都
16  ファナック  1364  40.8  山梨県
17  サンバイオ  1350  42.5  東京都
18  東京エレクトロン  1272  44.3  東京都
19  三井不動産  1263  40.7  東京都
20  三菱地所  1247  41.2  東京都
21  野村総合研究所  1221  40.3  東京都
22  電通  1179  40.7  東京都
23  シグマクシス  1167  36.8  東京都
24  マーキュリアインベストメント  1167  42.0  東京都
25  ジャフコ  1161  43.8  東京都
26  ユニデンホールディングス  1153  46.3  東京都
27  ドリームインキュベーター  1150  34.3  東京都
28  ケネディクス  1140  40.9  東京都
29  双日  1139  41.9  東京都
30  鹿島  1138  44.2  東京都

(出典:東洋経済オンライン「平均年収「全国トップ500社」最新ランキング」

1位には、M&Aに関する助言を行うM&Aキャピタルパートナーズが入りました。そのほかにも、日本M&Aセンターやフロンティア・マネジメントも上位にランクインしており、M&A関連の仕事は年収が高い傾向にあります。仲介した企業から受け取る仲介手数料や成功報酬が高額であることが高収入要因のひとつではないでしょうか。

総合商社や放送局が上位に食い込んでいます。産業別では、金融・保険業が最も賃金が高いことが判明しましたが、企業別で見てみるとメガバンクで最も高収入の三井住友フィナンシャルグループでも222位でした。

また、TOP30に入った企業のほとんどが東京か大阪に本社を構えています。今回の調査対象会社数は3242社で、そのうち東京に本社を構える会社は全体の半数以上の1635社とのことです。

女性の年収が高い企業ランキングTop10

冒頭で、男女の賃金差が依然として大きいことを説明しました。しかし、企業によっては女性も高い給料を狙えるいい仕事があります。

2019年にグローバルウェイの企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」が発表した女性の年収が高い企業ランキングTop10を見ていきましょう。

表7 女性社員の年収が高い企業ランキング
順位 社名 平均年収
(万円)
1  野村證券  667
2  リクルートホールディングス  606
3  アクセンチュア  585
4  東芝  529
5  ソフトバンクグループ  521
6  三菱UFJ銀行  508
7  マイナビ  503
8  楽天  498
9  SMBC日興証券  496
9  富士通  496

出典:キャリコネニュース

先ほど紹介したランキングとは異なり、野村證券、三菱UFJ銀行、SMBC日興証券のように金融系が上位にランクインしている点が特徴です。また、野村證券、リクルートホールディングス、アクセンチュア、ソフトバンクグループのように成果主義や実力主義が特徴の企業が上位に入る一方、東芝や三菱UFJ銀行のように年功序列制度が残る企業も上位に残っています。

年収が高い仕事といわれる業種を紹介

給料をさまざまな角度から眺めてランキングを紹介していきました。ここからは、ランキングで上位に入った業種や年収が高いイメージを持たれている業種がどのような仕事をしているのかを簡単に紹介していきます。

コンサル

まずは、企業別給料の高いランキングでも上位にランクインしているコンサルを紹介します。

仕事内容

課題を抱える企業や公共団体からの依頼に対し、解決のためのアドバイスをします。報酬の高さから若くして高収入も狙える職種ですが、求められる仕事内容は質・量ともに厳しいものです。

コンサルは、業務内容によって「戦略系コンサルティングファーム」、「総合系コンサルティングファーム」、「財務系コンサルティングファーム」、「人事系コンサルティングファーム」、「医療系コンサルティングファーム」、「再生系コンサルティングファーム」の6種類に分けることができます。

主要な企業

日系企業として野村総合研究所や船井総合研究所、外資企業にはアクセンチュアやデロイトトーマツコンサルティングなどが挙げられます。また、企業別年収で1位だったM&Aキャピタルパートナーズもコンサルの一種といえるでしょう。

総合商社

続いて、新卒学生からの就職人気も高い総合商社です。

仕事内容

広範囲の商品に関する取引を世界各国で行うことが主な業務です。「総合」と称するだけあって業務内容もさまざまであるため、「何でも屋」と表現されることもあります。

海外で勤務する機会も多く、その際には高額の海外赴任手当がつくケースが多いです。年収も高収入が見込めますが、ハードな業務と転勤の距離や頻度から家族の理解を得ることが欠かせません。

主要な企業

5大総合商社(伊藤忠商事、三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事)や双日などが挙げられます。

放送局

身近なメディアのひとつである放送局に対しても給料が高いイメージを持つ人が多いはずです。

仕事内容

テレビ番組を視聴者に届ける仕事です。高収入と華やかさから人気で競争倍率の高い職種でしたが、近年ライフスタイルの変化から若者のテレビ離れが加速しており、今後は年収が下がる可能性もあります。

主要な企業

キー局各社(フジテレビ、日本テレビ、TBS、テレビ朝日)が高収入が見込めるテレビ局です。

メガバンク

女性社員の年収が高い企業のひとつでもあるメガバンクを紹介します。

仕事内容

業務内容は多岐にわたりますが、法人取引先に対して融資やコンサルティングを提供する業務が多いです。海外駐在員事務所や海外支店もあるため、海外勤務経験を積むチャンスもあります。

主要な企業

三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほフィナンシャルグループが国内のメガバンクに該当します。

通信キャリア

生活インフラのひとつとして不可欠なサービスを提供する企業が通信キャリアです。

仕事内容

もともと通信ネットワークの整備や維持が主業務でしたが、近年はITソリューションの提供による提案型業務も増えています。変化が多い環境なので、新しいことにチャレンジしやすい点が特徴です。

主要な企業

大手キャリアはKDDI、ソフトバンク、NTTドコモの3社でしたが、2019年より楽天が新規参入しています。

製薬会社

最後に、スペシャリストが多く在籍する製薬会社を紹介します。

仕事内容

医薬品を開発・製造し、販売することが主な仕事です。業務内容によって医薬品を製造する「研究職」、臨床試験を行って安全性を調査する「開発職」、医療現場へ提供する営業職の「MR」に分けられます。

主要な企業

武田薬品工業や大塚ホールディングスなどの日系製薬会社、ファイザーやジョンソン・エンド・ジョンソンなどの外資系製薬会社があります。

IT関係エンジニアは給料も良く需要大 経験不問も

ここまで紹介した業種が今まで自分が経験してきた業務と大きく異なる場合、転職が難しいケースも多いです。その点、IT関係エンジニアは給料が良い上に未経験や異業種でも歓迎されることもあります。

仕事内容

顧客のシステムに対する要望を把握したのちにシステムの設計作業にあたり、実装及びテストという流れが一般的です。ただし、ITエンジニアの業務も多岐にわたり、職種によって業務内容や扱うシステムの種類は異なります。

ITやデジタルトランスフォーメーションへの需要に対して人材の供給が追いついていないことから、IT関係エンジニアは貴重な存在です。そのため、未経験や異業種で働いた社会人でも転職して高収入を得ることができるかもしれません。

しかしいくら未経験でも構わないといえども、その分入社前後に絶え間ない努力が不可欠であることはしっかりと理解しておいてください。

主要な企業

デジタル関連に対するニーズから、スタートアップも含めるとIT関係エンジニアが働ける企業は多数存在します。IT企業として売上高が大きいのは、富士通やNEC、NTTデータといった企業です。

給料の高い仕事は人気も高いが残業も多い

大手メーカーや総合商社のように、給料が高くなおかつ安定している企業は必然的に就職や転職の人気も高いです。その一方で、業務量が多く残業も多いケースがあります。

また、職業別で一番高収入だった医師も、激務な上に国家資格を得るまでのハードルが高いです。給料の高い仕事は決して楽な仕事ではないことに注意しておきましょう。

転職は年収を参考に、やりがいや職場環境、生涯年収も視野に

さまざまな角度からの収入ランキングを通じて、どういった職業や企業で高収入を望めるのか検討がついたのではないでしょうか。給料は生活していく上で欠かせないものなので、できるだけ高い年収であるに越したことはありません。

しかし職場によっては激務で家族との時間をほとんど取れなかったり、一時的に高収入でも長く勤めることが難しいケースもあります。今転職を検討している方は、企業の見込み年収を参考にしつつも、同時にやりがいや職場環境、そして生涯年収などの項目も吟味してください。