住宅ローンを組むにあたって、仮審査に落ちないだろうかと不安になる人も多いのではないでしょうか。一定の人が仮審査で落ちてしまうのも事実であり、仮審査にしっかり臨まなければ住宅ローンを組むことはできません。

そこで大切なのは、住宅ローンの目的や仕組み、審査の内容を正しく知り、問題があれば審査に通るように工夫して申し込むことです。

本稿では仮審査の基礎知識を網羅し、それを踏まえた上で通過するためのポイントも紹介します。

住宅ローンの仮審査とは?

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(画像=PIXTA)

住宅ローンの仮審査とは、住宅ローンを組むにあたって本審査の前に受ける審査のことです。そのため、この仮審査を「事前審査」と呼ぶこともあります。

あくまでも仮の審査であり、仮審査に必要な情報は申込者の自己申告によるため、この段階では証明書類を求められません(金融機関によっては求められることがあります)。

このことからも分かるとおり、仮審査では大まかなことのみを審査します。主な審査内容は以下のとおりです。

● 申込者の属性(現在の年齢、完済時の年齢、勤務先、雇用形態、勤続年数、年収など)
● 希望融資額(申込者の年収や債務状況から考えて、返済に堪えうるか)
● 個人信用情報(過去に金融事故を起こしていないか)

簡易的な審査であることから、早い場合には当日中、遅い場合でも数日で審査結果が出ます。しかし仮審査だからといって、審査の基準が甘いわけではありません。住宅ローンの仮審査では、審査を申し込んだ人のうち10%以上が落ちるともいわれています。このため住宅ローンを組むにあたっては仮審査でつまずかないように、通過するためのポイントを抑えておくことが大切なのです。

住宅ローンを利用する流れを知る

ここで住宅ローンの流れを確認しておきましょう。細かい点では金融機関によって異なる場合もありますが、多くの金融機関において共通する流れを紹介します。

申し込みを行う

住宅ローンを組む際には、まずWebや店舗で申し込む必要があります。ネット銀行などでは、公式サイト上に住宅ローン仮審査申込窓口を設け、仮審査の申し込み=住宅ローンの申し込みとなっている場合も多いです。

上記の通り仮審査は簡易的なものであり、必ずしも対面で申し込む必要がないため、最近ではネットで受け付けている金融機関も多くあります。

インターネットで申し込む場合には年齢や年収、勤務情報など金融機関ごとに求められる情報を入力します。

仮審査を行う

入力した情報に基づき仮審査が行われます。数日中に審査結果が出され、電話やEメールで通知されます。
仮審査に通れば、本審査を受けることとなります。

本審査を行う

仮審査を無事に通過すると、書類かネット上の手続きによって本審査への申し込みを案内されるので、それに沿って本審査に申し込みます。

本審査は、仮審査よりも厳しく行われる審査であるため、手続きも仮審査ほど簡単ではなく、必要書類も多くなっています。借入内容によって書類が異なり、必要書類が全て揃うまでは本審査が開始されないため、スピーディな借り入れを希望する人は準備を入念に行う必要があります。

本審査はおおむね3週間程度で結果が出ます。本審査に通れば、契約手続きに進みます。

融資の契約を締結する

本審査通過後、申し込んだ金融機関の担当者から契約手続きの案内を受けます。ここで締結するのは、住宅ローンの契約と抵当権設定の契約です。

金融機関によっては住宅ローンの返済口座に自行の口座を指定することがあるため、借入先の口座を持っていない人はこの段階で口座開設の申し込みも行います。

融資実行

契約締結後、借入金が指定口座に入金されます。

仮審査と本審査は何が違う?

仮審査を知る上で重要なのは、本審査との違いを理解することです。この二つの審査 はどこが異なるのか、それぞれの目的によって見ていきましょう。

仮審査では返済能力を確認される

住宅ローンの仮審査と本審査の違いは、審査の目的にあります。大まかにいえば仮審査では申込者の返済能力を審査し、本審査では信用リスクをより詳細に審査していきます。

前述したとおり仮審査では申込者の年収や債務状況、借入希望額と返済計画などをチェックしますが、これは返済能力を把握するためです。借入希望額と返済計画から返済負担を計算したとき、これに対して年収が低い、あるいは債務が大きいと分かれば、返済能力が低いと判断されます。

こうなると金融機関にとっては、貸し倒れリスクが高く危険な貸付先であるとされ、仮審査の段階で融資を断られることになるでしょう。

本審査では信用リスクを調べられる

仮審査で返済能力に問題がないと判断しても、それだけで信用リスクを正確に把握することはできません。そこで、本審査で詳細な確認を行います。

本審査は金融機関だけで行う場合もありますが、信用会社の保証を付ける場合には信用会社が主体となって本審査を実施します。債務者が返済困難に陥れば、保証会社は金融機関に債務を弁済して、不良債権を引き受けなければなりません。そのような事態に備えて、様々な情報によって正確な信用リスクを測る必要があります。

証明書類によって返済能力を独自に再チェックするだけではなく、申込者の健康状態を調べて将来のリスク(不健康による返済能力の低下)を見積もったり、債権回収に備えて購入物件の担保価値を調査したり、様々な観点から信用リスクを調べるわけです。

このほか、反社会勢力への融資や保証は避ける必要があるため、反社チェック(反社会的勢力ではないことの調査・確認)も行います。コンプライアンス上の問題を起こさないためにも、申込者本人だけではなく、取引に関係する全ての人に反社会的勢力がいないかを厳しく調べます。

仮審査を行う理由とは?

上記のように本審査は仮審査に比べてかなり手間のかかるものです。

もし仮審査をせずにすべての案件に対して本審査を行っていると、融資できる見込みがないはずの案件まで手間をかけて審査することとなり、効率が非常に悪くなります。また、借りられる可能性が非常に低いにもかかわらず必要書類を揃えるのは、申込者にとっても負担が大きくて大変なことです。

それを避けるために行うのが仮審査なのです。返済能力に問題がないとさえ判断されれば、ほかの要素で大きな問題がない限り融資されるでしょう。つまり、仮審査で問題がなければ、その申し込みは本審査するだけの価値がある融資案件といえます。

仮審査を通過するためにはどうすればよいのか

仮審査に通過するためには金融機関が重視する項目を知り、より問題の少ない内容で申し込むように工夫することが大切です。

金融機関が仮審査で特に重視する項目は、以下のとおりです。

● 完済時年齢
● 借入時年齢
● 年収
● 勤続年数

以下では、これらを加味した上で仮審査に通過するための工夫について見ていきましょう。

借入年数を短くする

金融機関が仮審査で最も重視するのは、完済時の年齢です。例えば、現在35歳の人が仮審査の申し込み時に35年ローンを希望した場合、完済時の年齢は70歳となります。このような申込内容では、おそらく仮審査に落ちてしまうでしょう。というのも、完済時年齢が65歳(一般的に定年を迎える年齢)を超える場合、融資しないと判断する金融機関が非常に多いからです。

したがって、自分の現在の年齢から数えて完済時年齢が65歳以下になるように借入期間を設定すれば、仮審査に通る可能性が高まります。

年収を合算する

年収は、返済原資の源泉ともいえるものであり、返済能力を測る上で最も重要な要素です。このため、金融機関では最低ラインの年収を設定し、それを下回る申込者を仮審査で落としています。金融機関によっては最低限の年収を公表しており、ネット銀行などでは年収400万円以上を目安にしているケースが多いようです。

現在の年収が金融機関の目安を下回っている場合には仮審査に通過できませんが、その場合にはペアローン(夫婦の収入を合算して審査する住宅ローン)を検討するのが良いでしょう。収入を合算することによって金融機関が定める年収のラインを上回れば、仮審査に通りやすくなります。

勤続年数を重視しない金融機関に申し込む

勤続年数は収入の安定性につながる要素であり、ひいては返済能力の安定性にもつながります。勤続年数が長ければ、勤務先における信用が安定しているとされ、減給や解雇による返済能力低下のリスクも低いと判断されるでしょう。逆に勤続年数が短い場合には、返済能力の安定性に欠けるものとされ、仮審査で落ちる可能性が高まります。

そこで、申し込み時点での勤続年数が短い場合には、勤続年数を重視しないことを売りにしている金融機関を選ぶのがポイントです。このような金融機関では、勤務年数が1年未満でも受け付けているため、勤務年数が短い人でも仮審査に通りやすいといえます。

仮審査と本審査を通過してマイホームを手に入れる

住宅ローンを組んでマイホームを手に入れるには、まずは仮審査を通過することが必要です。借り入れる人の基本的なステータスが審査対象になってきますが、勤続年数や年収の部分などは条件がまちまちなので、とにかくいろいろな金融機関にあたってみましょう。そして
ぜひ、ここで得た知識を活用してみてください。