長期固定で安心なので、住宅ローンはフラット35を考えている方も多いはずです。実は同じフラット35でも、取扱金融機関によって金利が異なるということをご存知ですか?

この記事では、フラット35の金利比較をランキング形式で紹介します。最もお得なのは低金利で知られる住信SBIネット銀行やARUHIなのか、それとも別の金融機関なのか。気になる方はぜひ記事をチェックしてみてください。

フラット35とはどのようなローンなのか

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(画像=PIXTA)

「フラット35」は民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する、全期間固定金利住宅ローンです。関連商品として、質の高い住宅に対して低金利で提供する「フラット35S」や子育て世代の住宅取得や地方移住を低金利でサポートする「フラット35 子育て支援型・地域活性化」、中古住宅取得と性能向上リフォームのセットで金利を引き下げる「フラット35 リノベ」があります。

なお、フラット35を利用するためには対象の住宅が住宅金融支援機構が独自に定める技術基準に適合していなければなりません。

日本で最もポピュラーな住宅ローン

フラット35は全国300以上の金融機関で取り扱われています。住宅金融支援機構のHPでも「100万組のお客さまの選択」とうたわれており、日本で最もポピュラーな住宅ローンといっても過言ではないでしょう。

多くの人がフラット35を利用する理由として、「どこの金融機関でも申し込むことができる」「保証人不要」「ずっと固定金利なので安心」といったことが挙げられます。

金融機関によって金利や審査基準が異なる

フラット35の借入金利は各取扱金融機関が決定しています。住宅金融支援機構のHPによると、融資率9割以下で借入期間が21年以上35年以下のフラット35で設定されている最低金利が年1.32%で、最高金利は年2.17%です(2021年2月時点)。

また、フラット35は審査基準が物件中心で民間の金融機関の住宅ローン商品より比較的審査が通りやすいともいわれます。ただし、フラット35の審査は各取扱金融機関の事前審査を経てから、住宅金融支援機構の本審査という流れです。共通の審査基準があるといえ、A金融機関で「否認」になったフラット35がB金融機関では「承認」という可能性も否めません。

フラット35の金利比較をランキング形式で紹介

ここからフラット35の気になる各取扱金融機関の金利比較をランキング形式で紹介していきます。フラット35は所要資金に対して多くの自己資金を投入することによって金利を下げることができる場合がありますが、今回は自己資金2割以内のケースを想定して比較しました。なお、2021年2月時点での金利ですので、月が変わると順位も前後する可能性があります。

1位.【年0.91%】住信SBIネット銀行 フラット35S(自己資金20%以上)

1位には、住信SBIネット銀行フラット35Sで自己資金を20%以上投入したケースが選ばれました。金利は当初5年もしくは10年間年0.91%で、それ以降は年1.16%です。当初の金利引き下げ期間は金利Aプランであるか金利Bプランであるかによって異なります。金利プランの判断基準は住宅の省エネルギー性や耐震性などです。

また、SBIのフラット35には保証型と買取型がありますが、今回低金利でランクインしたのは保証型でした。それぞれの違いは以下にまとめています。

  保証型 買取型
団信 SBI生命の団信に保険料負担なしで加入可能 原則、住宅金融支援機構の新機構団信に加入
連帯債務の場合に入る夫婦連生団信の場合は金利+0.18%
疾病保障 全疾病保障がお客さま負担なしで基本付帯 全疾病保障に任意で加入可能
加入時、借入金額の0.55%(税込)に相当する金額が所定の事務取扱手数料に上乗せ。
新機構団信の特約も選べる(新3大疾病付+0.24%※夫婦連生団信の場合は選べない)。
自己資金 自己資金10%以上での借入が必須 自己資金10%未満での借入でも可能
事務取扱手数料 借入額の2.2%に相当する金額(税込) 新規借入:借入額の1.1%相当の金額(税込)
借換:借入額の0.99%相当の金額(税込)
仕組み 住宅ローンの貸し手は住信SBIネット銀行で、住宅金融支援機構が保証。
住宅ローン借入後、返済ができなくなった場合に、住宅金融支援機構が住信SBIネット銀行に保険金を支払う。
住宅ローンの貸し手は住信SBIネット銀行。ただし、融資実行後に住宅金融支援機構が住宅ローンを買取り、債権者となる。
住宅金融支援機構は、住宅ローンを担保に債券を発行し、投資家へ販売して長期の資金調達を実施。

つまり、自己資金が10%あれば保証型が選べますが、10%未満なら買取型しか選べません。その場合事務手数料は保証型の半額の1.1%と安いのですが金利は高め、団信は無料ですが、金利にその分が含まれているというようなイメージです。保証型のような疾病保障は+0.55%でつけるということになるでしょう。買取型は、連帯債務希望か、事務手数料が安いので、初期費用を安く抑えられるという面で選ぶ方もいるかもしれません。

2位.【年0.97%】住信SBIネット銀行 フラット35S(自己資金10%以上)

2位にも住信SBIネット銀行の商品がランクイン。こちらは1位の商品とほぼ同じ内容ですが、自己資金が10%以上20%未満という点が異なります。手許資金が潤沢ではない方でも借りやすい商品です。

金利は当初5年もしくは10年間が年0.97%で、それ以降は年1.22%が適用になります。

3位.【年0.97%】ARUHI スーパーフラット8S(自己資金20%以上)

続いてランクインしたのは住宅ローン専門の金融機関であるARUHIの住宅ローンです。保証型の仕組みを取り入れたフラット35商品で、自己資金20%以上投入した場合に当初10年間年0.97%で11年目以降は年1.22%が適用になります。

金利水準は2位の商品と同等ですが、こちらの方が自己資金投入がより多く必要なため3位としました。

4位.【年0.99%】ARUHI スーパーフラット8.5S(自己資金15%以上)

4位は3位商品で自己資金が15%以上20%未満のケースで、当初10年間は年0.99%、以降年1.24%が適用になります。この商品のように、ARUHIでは自己資金の範囲が細かく刻まれている点がメリットです。

5位.【年1.02%】ARUHI スーパーフラット9S(自己資金10%以上)

続いてもARUHIのスーパーフラット商品がランクインしました。こちらは自己資金10%以上のケースで、当初10年間は年1.02%、以降年1.27%です。

6位.【年1.24%】住信SBIネット銀行 フラット35S(自己資金なし)

6位は住信SBIネット銀行のフラット35Sで自己資金なしでも借り入れることができるタイプです。金利引き下げ期間に年1.24%、期間終了後は年1.49%が適用されます。

ただし、注意して欲しいのが「買取型」という点と借入期間です。ここまで紹介した商品はいずれも借入期間35年でも適用になりましたが、この商品は借入期間15~20年の場合に適用されます。21~35年で借り入れる場合は金利引き下げ期間に年1.33%、それ以降年1.58%の金利です。

評判通り、ランキングは住信SBIネット銀行とARUHIが上位を独占する結果になりました。1位から6位の金利をまとめ、借入額4000万円借入期間35年のシミュレーション結果を加えたのが以下図表です。

順位 商品名 金利引下げ期間 (毎月返済額) 金利引下げ期間終了後 (毎月返済額)
1位 住信SBIネット銀行
フラット35S(保証型)
(自己資金20%以上)
 年0.91%  (18.3万円)  年1.16%  (18.5万円)
2位 住信SBIネット銀行
フラット35S(保証型)
(自己資金10%以上)
 年0.97%  (18.4万円)  年1.22%  (18.6万円)
3位 ARUHI
スーパーフラット8S
(自己資金20%以上)
 年0.97%  (18.4万円)  年1.22%  (18.6万円)
4位 ARUHI
スーパーフラット8.5S
(自己資金15%以上)
 年0.99%  (18.4万円)  年1.24%  (18.7万円)
5位 ARUHI
スーパーフラット9S
自己資金10%以上)
 年1.02%  (18.5万円)  年1.27%  (18.7万円)
6位 住信SBIネット銀行
フラット35S(買取型)
(自己資金なし)
*借入15〜20年
 年1.24%  -  年1.49%  -

いずれもフラット35Sを適用したケースを想定しています。フラット35Sを適用するためには、いくつか条件を満たす必要があるので注意してください。また、団信不加入であれば紹介した金利より低いタイプがありますが、今回は新機構団信付きタイプのものです。団信に入ることの意味については後ほど解説します。

フラット35を選ぶ際に気を付けたい金利以外のポイント

ここまで金利面にスポットを当ててきましたが、フラット35を金利面だけで選ぶことはおすすめできません。以下の点も合わせて気をつけるようにしてください。

団信保険の内容

扱うのは同じフラット35でも、金融機関によって付帯する特典やサービスが異なります。特に、「団体信用生命保険(団信)」は各銀行によって違いがあらわれるサービスのひとつです。

たとえば、住信SBIネット銀行のフラット35(保証型)の団信は保険料負担なしで8疾病を含むすべての病気やケガが保障されます。ただし、健康上などの理由から団信に加入できない方は住信SBIネット銀行のフラット35(保証型)自体にも加入できないので注意が必要です。

一方ARUHIのスーパーフラットは団信不加入を選ぶことができます。団信不加入を選ぶと低金利で住宅ローンを利用できますが、万が一のことがあった場合も住宅ローンが残るため、安易に選ぶことは禁物です。

繰り上げ返済の際などに発生する手数料

住宅ローン借入時で発生する事務手数料や返済時の繰り上げ返済手数料は商品によって異なります。たとえば、同じ住信SBIネット銀行でもフラット35(保証型)は借入額の2.2%相当が事務手数料としてかかるのに対し、フラット35(買取型)では1.1%に相当する金額です。また、住信SBIネット銀行(保証型)の全額繰り上げ返済手数料が3万3000円(税込)かかる一方、ARUHIのスーパーフラットでは5万円(税別)かかります。

たとえ金利が低くても、各種手数料を考慮すると割高になることもあるので、総コストで見極めるようにしてください。

審査基準や融資決定までのスピード

住宅金融支援機構による統一基準はありますが、受付金融機関によって審査基準は少し異なります。また融資決定までのスピードも、フラット35の受付件数が多い金融機関の方が比較的早いです。

申し込み人の状況にもよりますが、住信SBIネット銀行もARUHIも事前審査結果は最短当日に出ることになっているので、比較的早いスピードといえるのではないでしょうか。

フラット35を活用してマイホームを手に入れる

フラット35は全期間固定金利なので、返済計画を立てやすく安心です。多くの金融機関で受付をしていますが、金利や特典は異なります。

今後マイホームを予定している方は、金利面やコスト面を比較した上でフラット35を活用してマイホームを手に入れてください。